室内で電源アダプタを使って動作させるときは、まったく気にならないラズパイの動作電圧ですが、電池で動かしてポータブルデバイス化したいと考えたときに気になった動作電圧を確認してみました。
なんで動作電圧が気になったかと言うと、
①充電池で動かした時に、過放電を防止するためにカットオフする電圧の閾値や、
②スーパーキャパシタの容量計算する時の下限電圧、
③低電圧駆動による誤作動を防止して確実に再起動をかけるためのリセット回路の閾値電圧
などをいくらにすべきかの参考とするためです。
行った事は、RaspberryPi Zero WとRaspberryPi Picoを、スーパーキャパシタで動作させ、正常に動作するまでの電圧を確認しました。
RaspberryPi Zero Wの最低動作電圧
上のような状態で、5FのスーパーキャパシタでZeroを動かし、徐々に下がっていく電圧をテスターで表示させ、動画をとって動作しなくなった電圧を確認しました。
動画の録画開始と同時に、Zeroではひたすら自分のサイトにアクセス(ポスト処理)するスクリプトを走らせ、サイトにアクセスできなくなった時点を正常に動いていないとみなしました。
また一応、GPIOでLEDを光らせての稼働も確認しています。
結果、サイトにアクセスできなくなった時点の電圧は2.715Vで、この時点でLEDはついていましたが、その2秒後2.669Vになった時点でLEDが消えました。
この辺は、手動でスクリプトと動画を開始していたり、iPhoneでタップしてから録画開始するまでの時間差、電圧降下に対するテスターのレスポンスなど、色々なラグを含み、細かい値を精査するのは意味がないので、2.7Vくらいが最低電圧と考えれば良さそうです。
RaspberryPi Picoの最低動作電圧
元々Picoは仕様上5.5〜1.8Vと幅のある電源電圧に対応しているのですが、おまけでやってました。
こちらは、本体内蔵のLEDを点滅させるスクリプトを走らせて、点滅しなくなる時点を正常に動かなくなったとみなしました。
結果、LEDが消えたのが、1.434V時点でした。一応、1.8Vを若干下回っても動作するようです。あらゆる動作がちゃんと動くかはわかりませんが。
スーパーキャパシタでの稼働時間
RaspberryPi Zero W
5Fのスーパーキャパシタを5Vで充電させ、Zeroを稼働した結果、2.7V下回るまでの時間は、67秒でした。
消費電力を逆算すると、およそ0.7Wです。一般に0.65Wとされていますが、それに近い値です。
RaspberryPi Pico
Picoでも実施した結果、1.44Vまで降下するまでの時間は11分15秒(645秒)でした。消費電力を逆算すると0.088Wで、一般に0.09Wとされますが、ピタリでした。
消費電力の方はセンサなど追加する事で増えますし、最低動作電圧も変わるかもしれませんが、何もつけていない時の目安はこんな感じです。
使ったスーパーキャパシタ:
電気二重層コンデンサー5F5.4V
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-04247/