3Dグラフィック、プログラミング、ものづくり・・・、創作活動を楽しもう!

自走キックボードの駆動装置を考える

毎日駅まで片道20分の道のり。その道のりを楽にしようと、電車の中に持ち運べる大人向け折りたたみキックボードを作ろうと空想しておりまして。

 

近頃、都内でキックボードで颯爽と移動しているスーツ姿の人を見かけることが増えました。見かけるのは外人ばかりだったのが、この前、日本人のおじさん(スーツを着たサラリーマン)が乗っているのを見かけて、おっ!と思いました。
この手の話を日本ですると、「法律で認められていない乗り物を使うなど、社会人として言語道断。そんな常識すら通用しない人は信用できん」なんてマインドが正論としてまかり通る社会。柔軟性の低い日本でも、浸透の兆しが見えてきたように思います。

 

キックボードとは言っても、満員電車で気軽に持ち込めるほどではないので、折りたたみにするべく、形状とか材質を色々空想しているのですが、今回は動力の話。

えぇ、まずは、動力はなしで、折りたためるサイズで乗れるものができるのかというところが先かとは思いますが、今回は、動力の話。

 

まずは、最初に考えるのは電池。繰り返し充電できて便利です。ただ、電池は重たいというイメージがあります。他の蓄電装置と比べてどうなんでしょう?

重さあたりに溜め込めるエネルギー量を質量エネルギー密度と言う指標で評価します。するとこんな感じ。

 

質量エネルギー密度比較

アルカリ乾電池 50Wh/kg
鉛蓄電池 80Wh/kg
ニッケル水素電池 220Wh/kg
リチウムイオン電池 360Wh/kg
燃料電池(液体水素70MPa) 14000Wh/kg
燃料電池(エタノール) 8000Wh/kg
リチウム空気電池 5200Wh/kg
アルミニウム空気電池 4300Wh/kg
スーパーキャパシター 120Wh/kg
ガソリン 12000Wh/kg

色んなところの図から理論値としてもっともらしい値を拾ってきました。参考にガソリンも入れた。容器とか入ってないからフェアじゃないけど。

やっぱりガソリンに比べて重たいんですなぁ。ガソリンエンジンは、エネルギーの80%は熱になってしまうけど、それでもまだ軽い。エネルギー密度が高い燃料電池は、小型デバイスでの商品も出てきてはいるけど、まだまだ難しそう。となるとエンジン?

 

エンジンの種類
・ レシプロエンジン
・ ガスタービン
・ ロータリーエンジン
・ スターリングエンジン
・ 空気エンジン

 

ざっとリストアップするとこんな感じでした。その他、ラムジェットエンジン、パルスデトネーションエンジンなどロケットに利用されるエンジンがあります。

 

エンジンは高熱になるからなぁ、なんて思っていたら、空気エンジンと言う選択肢がありました。熱でないし、音もモーター程とは行かなけども、爆発するエンジンより静かだろうし、問題は走行距離か。

 

圧縮空気技術を応用したエア・カーの開発状況と普及課題
http://www.dri.co.jp/dri_f/watcher/2010/report/takeuchi04192010.htm

 

このサイトによると、圧縮空気はエネルギー密度は充電池並みで、エネルギー変換効率(40%)とガソリンエンジンよりちょい良いくらい。ただし、全体として軽量化は図れると。

 

電気ではなく圧縮空気でアシストする自転車「Piston Pedal Power(ピストンペダルパワー)」
https://ennori.jp/amp/2190/light-weight-low-cost-power-assist-bicycle-using-compressed-air

 

こちらはアメリカの人が作った圧縮空気によるアシスト自転車。すごいなぁ。

タンクの気圧も容量もわかりませんが、600gのタンクでアシスト時間は20分程とのことで、やはり走行距離は期待できそうになさそう。

 

さらに日本には高圧ガス保安法なる法律があって、圧縮空気を扱うのも何かと面倒。

 

ともすれば、圧縮空気ではなく、気体発生装置にすればどうだろう。ドライアイスなら固体から気体になった時の体積は800倍。固体ならエネルギー密度は大きいはず。

 

さて、気体発生装置、どんなものが考えられるだろう。エアダスター、エアバック、混ぜるな危険系の洗剤、液化アンモニア、うーん、あれはどうだ?ベーキングパウダー。
重曹、つまりは炭酸水素ナトリウム。

 

発生するのは二酸化炭素だし、掃除で使うものだから簡単に手に入る。よいのでは?っと思って、使われていないか調べてみると、研究段階の論文を見つけました。

 

炭酸水素ナトリウムとクエン酸の化学反応を用いた 小型増圧ポンプを有する携帯型空気圧源の提案
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jfps/48/3/48_17/_pdf

 

この論文では、人工筋肉を動かしていて、車ではない。発生する圧力は1.1MPaで、既往の研究では0.7MPa程とのこと。

 

さて、この圧力は十分なのか?豊田自動織機の空気エンジン車「KU:RIN」は2MPaの圧力の空気を送り込んでいるとのこと。エンジンの機構がそもそも違うけど、車体重量100kgでこれなら、1MPaでも大丈夫かな。

 

軽く計算してみよう。70kgの重さで、進める限界勾配を10°とする。機構はシンプルにピストン式でギア比、トルク比は1、シリンダの直径は5cmとします(その他条件は以下)。結果、必要な圧力は0.066MPa。圧力的にはいけそうです。

表 計算条件

 

発生量的にはどうか。100%反応するとすれば、炭酸水素ナトリウム252g(3mol)とクエン酸192g(1mol)で、67.2L(3mol)の二酸化炭素を理論的には排出する(温度0℃、大気圧1013hPa、相対湿度0%)。水と容器と合わせて仮に600gとすると、質量あたりの発生量は112L/kg。これは圧縮空気タンクに比べてどうなんだ?

 

高圧タンクを検索したところ、コレを発見。

https://m.alibaba.com/product/60082593515/0-35L-Carbon-Fiber-Cylinder-For.html

 

ペイントボール用の炭素繊維製の空気タンクで、容量0.35L、圧力30MPa、重量は充填時1.1kg、空で0.45kgだそう。約300気圧として空気は105L溜め込める。タンクは放出すると軽くなっていくので、仮に0.8kgとすると、放出量は131L/kg。こっちのが若干良いー。
 

海外製だと30MPaのコンプレッサー とか普通に売っとる。4万円くらいで買える。ランニングコストは断然こっちがよさそう。なるほど、これは流行らない。

 

ん、んーまー、でも、高圧ガスみたいな危険物じゃないってのは、メリットがあるわけですよ。カバンに入れて満員電車に毎日持ち込むわけですから、安全だし、規制もないし。

 

問題は、気体を発生させ続ける機構ですね。論文では予め炭酸水素ナトリウムを水に溶かしといて、クエン酸を徐々に添加する仕組み。それだとと水で重くなる気がするから、反応層に徐々に炭酸水素ナトリウムとクエン酸を添加する仕組み、その他、発生ガスと水の分離する仕組み、生成してしまうクエン酸三ナトリウムの回収する仕組みなどが必要です。遠心させて攪拌と分離を行う反応層とか?うーん、ハードルは高そう。

 

が、だからこそ、チャレンジし甲斐がある!自走キックボードを作るときは、重曹エンジンにしよう!・・・っという空想話でした。

 

追記:燃料費を考えてみたところ、ないなっと思いました。

Updated: 2018年8月17日 — 12:26

1 Comment

Add a Comment

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

TibLab Blog © 2014 Frontier Theme