RaspberryPi Zero Wの電池での稼働時間

電池でポータブルにRaspberryPi Zero Wを動かそうと思ったときに気になる稼働時間。今回は、単三ニッケル水素電池3本で何時間くらいもつかっというのを確認してみました。

庭やベランダなどに設置するモニタリングデバイスとして使うことを考えてますので、そんな条件になります。

 

確認した事を要約しますと、

エネループ3本で、
・Zeroでは13時間稼働
・ZeroをPicoで間欠動作(30分毎)させると54時間稼働
・Zeroを間欠動作デバイスEveryUSBで間欠動作(30分毎)させると119時間稼働

 

 

■ 使った電池

スタンダードタイプの単三エネループで、電気容量は1本1900mAh。新品ではありません。
3本で1.2V×3=3.6Vとすると、計算上の容量は6.84Whです。

Zeroの電源電圧は仕様上5Vですが、内部で3.3Vに降圧しているので、3.3Vくらいまでは動作します。なので、今回は昇降圧回路は挟まず、電池直付での検証です。

 

■ RaspberryPi Zero WHの連続稼働

Zeroは推奨アプリを含むフルサイズのRaspbianがインストールした直後状態で、WiFiに繋がっており、下記のスクリプトにより、30分に1度、自分サイトにアクセス(ポスト処理)を行うこととしました。

#!/usr/bin/env python
# -*- coding: utf-8 -*-
import urllib
import urllib2
import time

def send_data(value):
    url = 'https://hogehoge/input.php'
    params = {'input':1, 'temp':str(value) }
    params = urllib.urlencode(params)
    
    req = urllib2.Request(url)
    req.add_header('test', 'application/x-www-form-urlencoded')
    req.add_data(params)
    
    res = urllib2.urlopen(req)
    r = res.read()
    print(r)

while True:
    send_data(1)
    time.sleep(30*60)

 

結果、Zeroのエネループ3本の稼働時間は、13時間でした。
電池容量を6.84Whと仮定して消費電力を逆算すると0.53Wくらいになります。

Zeroの典型消費電力は0.75Wとされますが、電圧が低いことや、実際の電池容量はもっと大きい等々の要因で、やや低めな値になってます。

少し安全をとって、見込み上は0.6Wとみなせば良いですかね。

 

なお、上記の時間はサイトアクセス時間で測っていますので、電圧が低く、Zeroは生きてるけど、Wifiには繋がらない状態はカウントしてません。

 

■ ZeroをRaspberryPi Picoで間欠動作

PicoとMOSFETを使ってZeroを30分毎に起動させた場合、稼働時間は54時間(2日と6時間)でした。
Zero単体のおよそ4倍の時間です。

電池容量を6.84Whとした場合、平均的な消費電力は0.13Wくらい。
Picoの消費電力は0.09Wとされているので、それにZeroの稼働分が加わった感じです。

今回は設定上Zeroに3分間/30分通電しているので、それで考えるとZeroの消費分は0.6×3/30=0.06Wです。Picoと合わせると0.15W。
ですが、Zeroの実際の稼働時間は1分もないくらいなので、起動中は1W、シャットダウン後の消費電力を0.1Wとすると、(1×1+0.1×2)/30=0.04Wで、Picoと合わせるとピッタリ0.13Wです。

まぁ、ちょっとどちらが見込み上適しているかは、パターンをこなしてみないとわかりませんね。

それぞれの設定は、前回、PicoでZeroを間欠動作させたのとほぼ同様ですが、リレーではなく、MOSFET(2SK4017)を使いました。

 

■ ZeroをEveryUSBで間欠動作

Zeroを間欠動作専用デバイスであるEveryUSB(東京デバイセズ社製)で、30分に一度起動させた場合、稼働時間は119時間(約5日)でした。
さすが、待機中の消費電力を限りなく抑えられているでしょうから長生きします。

電池容量を6.84Whとした場合、平均的な消費電力は0.06Wくらい。

Zeroに3分/30分通電してますので、計算上0.6×3/30 = 0.06Wのため、EveryUSBの待機電力は0と見なしてよいことになります。

実際のZero稼働時間を考慮してZero分の消費電力を0.04Wとすると、EveryUSB分が0.02Wということになりますが、これはちょっと大きすぎる気がします。これもパターンをこなしてみないと分かりませんね。

 

電池駆動用 間欠起動タイマーUSB電源 EveryUSB [評価キット]
https://tokyodevices.com/items/256

ちなみにこのデバイスは、電池が切れると設定が消えるので、電池交換の度に、PCに接続して再設定しなければいけません。なので、定期的に電池交換して、継続的に運用したい場面には向いてません。
(手元にあるのはそういうわけですorz)

 

■ 余談

個人的には1週間は持たせたいのでエネループ3本では足りないですね。分かってたけども。

 

ちなみにRaspberryPiは接続しっぱなしだと充電池の電気を搾り取ろうとしてしまいます(シャットダウン後も電力消費します)。完全放電は充電池にとって良くないので、実際の運用には電圧低下時に電源を遮断する回路なんかもあったほうが良くて、そうするともっと稼働時間は短くなるかもしれません。

 

リチウムイオン電池にも使えるハイサイド動作な過放電防止回路
https://wakwak-koba.hatenadiary.jp/entry/20161210/p1

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