電圧保護回路の検討

以前からやっているラズパイZeroのソーラー電源装置の検討の続きです。ソーラーパネルで日中だけ、RaspberryPi Zero Wを動作させる電源装置を作っており、電圧保護に課題が残ったので、その検討をしました。

 

したいこととして、ソーラーパネルの最大電圧が若干、耐電圧範囲を超えるので、その保護をしたい。

方法として、以下を使うことが考え、順に検討しました。
・DC/DCコンバータ(スイッチングレギュレータ)
・三端子レギュレータ(リニアレギュレータ)
・ツェナーダイオード

 

■ DC/DCコンバータ

スイッチングレギュレータとも言うそうで、一定電圧を出力するための電源装置。エネルギー効率も良いので、発電した電力を無駄なく使おうとした場合はこれ一択ですが、ややお高いので、今回の用途的にはもっと安価にしたい。

 


一つは検証電源用として買いました。

 

【候補部品】

入出力2.5V~15V 最大1.5A 同期整流式昇降圧型スイッチング電源モジュールキット LTC3111使用 ¥1,380
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-11212/

LXDC55使用DCDCコンバータキット (降圧 可変出力) ¥500
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-09982/

 

■ 三端子レギュレータ

リニアレギュレータとも言うそうで、定圧にするために余分な電力を熱として流すため、降圧しかできず、エネルギー効率も悪いですが、安価です。

今回、RaspberryPiやスーパーキャパシタに過電圧を加えないための電圧保護がしたいだけなので、十分役割を担ってくれそうです。

ただ問題は、通常、入力と出力は3Vくらい差が必要とのことで、今回ソーラーパネルの最大出力電圧は6.0V、ほしい電圧は5.0Vと差が小さいこと。実際には間にダイオードとか入って降圧されるので、もっと差は小さい。

 

実際どうなるか、可変三端子レギュレータNJM317で、試してみました。

抵抗は390Ω/120Ωを使ったので、十分高い電圧を入力した場合の出力電圧は5.3Vなはずです。

結果、入力が6.0Vの時に出力は4.5V、1.5V降圧されました。

加えて、逆流防止ダイオードで降圧されるので、スーパーキャパシタにかかる電圧は4.3V前後になります。

前回のシステムにつなげてみると、直射日光がソーラーパネル全体に当たって、最大出力になっている時とかはZeroも起動するんですが、パネル半分に光が合ってる時とかには稼働せず、起動してもスーパーキャパシタの貯えも少ないので、少し陰ったらすぐシャットダウンして、稼働時間がめっきり短くなりました。うーん、微妙か。

 

【参考サイト】

電圧可変3端子レギュレータを用いた出力電圧選択型の電源の製作例
https://www.marutsu.co.jp/pc/static/large_order/mame/163

【使用部品】

可変三端子レギュレータ 1.2~37V1.5A NJM317F ¥50
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-08679/

ショットキーバリアダイオード 40V3A SB340LS
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-07788/

 

■ ツェナーダイオードによる電圧保護回路

ツェナーダイオードは、定電圧ダイオードとも呼ばれるそうで、主に電圧保護のために使われる素子です。
これでなるべく損失の少ない電圧保護ができるか検討してみます。

理想的には、5V以上の時だけ制限して、後はそのまま流すような挙動をしてほしい。

 

【参考サイト】

ツェナーダイオードを使ってみよう!

ツェナーダイオードを使ってみよう!

 

● ツェナーダイオード単体による電圧保護回路

ツェナーダイオード単体では、あまり電流を流せないので、トランジスタ等を併用するのが一般的だそうですが、勉強も兼ねて、単体での効果と降圧具合を確認しました。

使用したツェナーダイオード(1N5231B)は、ツェナー電圧5.1Vで、許容損失0.5Wです。

回路

結果

4.0V⇒3.95V、5.0V⇒4.61V、6.0V⇒4.87V、7.0V⇒4.98V、8.0V⇒5.04V、9.0V⇒5.08V、10.0V⇒5.10V

 

使用範囲である6.0Vでは、1.1V程降圧しました。三端子レギュレータより若干低い程度ですが、5.0Vでは0.4V程度の降圧で、三端子レギュレータより効率は良くなるので、Zeroの稼働率は上がりそうです。が、ソーラーパネルの発電量は2Wで、許容範囲を超えるのでそのままは使えません。

今回使用したツェナーダイオード(1N5231B)は、許容損失0.5Wと一般的ですが、中には許容損失の大きい大容量ツェナーダイオードも売っていて、それを使うという手も考えられそうです。

なお、このように負荷に並列に制御素子を入れる方式をシャントレギュレータと呼ぶそうです。

 

【使用部品】

5.1V ツェナーダイオード1N5231B
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-06000/

【候補部品】

5.1V5Wツェナーダイオード1N5338BRLG
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-00584/

 

● ツェナーダイオードとトランジスタによる電圧保護回路

前述しましたが、ある程度の電流を流す場合は、トランジスタを用いるの一般的とのことで、基本的な定圧化回路を試してみました。

回路

結果、入力6.0Vの時、出力4.59Vと三端子レギュレータと対して変わらない結果に。出力5.0Vになるまで入力電圧を上げてみると入力は8.06Vとなり、必要な差は3Vくらいと、この辺も三端子レギュレータに近しい。
これだと、三端子レギュレータを使えば良いって感じですね。

なお、このように負荷に直列に制御素子を入れる方式をシリーズレギュレータと呼ぶそうです。
(三端子レギュレータもシリーズレギュレータの一種)

 

【参考サイト】

ツェナー・ダイオードを使ったシャント・レギュレータの基礎
https://cc.cqpub.co.jp/system/contents/1757/

→これを参考に作った抵抗値計算シート(合ってる自信はない)
抵抗計算.xls

【使用部品】

トランジスタ TTC015B 160V2A ¥25
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-09808/

 

● トランジスタによるツェナーダイオードの大容量化

上記参考サイトにツェナーの許容電力を大きくする等価回路があるので、それを試してみます。

考えてみると、ツェナー電圧以上の時、通電(ショート)して電流を流せば良いのだから、MOSFETでも出来るよね?っと思い、手持ちのPchMOSFETでもやってみました。結果、出来ました。

回路:トランジスタ使用

回路:MOSFET(Pch)使用

結果

	NPN	MOSFET
IN(V)	OUT(V)	OUT(V)
4	4	3.99
5	4.94	4.91
5.5	5.34	5.34
6	5.49	5.54
7	5.55	5.6
8	5.57	5.6

双方、ほぼ同じ出力電圧になりました。閾値が5.1Vではなく、5.6Vになってしまいましたが(閾値は抵抗値によって変動)、そのおかげ?で、ソーラーパネル最大出力の6.0V時の降圧も小さくなり、より効率的に使えそうです。

この下流に逆流防止のショートキーバリアダイオードを挟めば、0.2V降圧するので、スーパーキャパシタの耐電圧5.4Vは超えなさそうです。ホントはもう少し余裕を持したいところですが。

Picoの動作電圧範囲は1.8〜5.5Vですし、Zeroも一般には5.0V±0.25Vですが、下記サイトによると、搭載しているスイッチングレギュレータの動作範囲は2.5V~5.5Vとのことなので、大丈夫じゃないかと。

 

Raspberry Pi Zero W と RBD-P5122+ ZERO でバッテリー駆動の Wi-Fi オーディオプレーヤー
http://linuxcom.info/pi-zero-w-battery.html

 

 

次回、最後の方法での電圧保護回路を前のシステムに組み込んで、効果を確認したいと思います。

追記:組み込みました

Updated: 2022年3月6日 — 12:08

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